人生初のラブホテル
あ
ラブホテル
用途は主に以下の3つ
・えつちをしたいが家に誰かがいる
・デートの休憩がてらに
・風俗店等での利用
この用途をご覧頂いたらわかる通り、22歳男性(独身)の私には縁もゆかりもない場所。
利用料も決して安くなく、たった数時間で¥3,000~¥5,000というイメージ。
高いのよ、えつち1つに¥3,000は。
えつちのためにわざわざお金を落とすなんて、自分とは無縁の世界。
今もそのように思っている。
だが私は過去に一度だけ、このラブホに訪れたことがある。
もちろん、”ホテルに行っただけ”でなく、しっかりと部屋に入り、気持ちの良い時を過ごした。
今回はその経緯と内容について説明します。
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【登場人物】
・リア充
恋人がいる人の事を指す名称。
私は「根源的破滅招来体」と呼称している。
「リアル充実」の略称ではあるが、意味通りの「リアルが充実している人」ではなく、単に恋人がいる人の事をさして使われる事が大半。
したがって
「ゲーム楽しくて毎日充実してるし、俺もリア充や!」
とクラスに1人は居た勘違いブスにおかれましては、本内容においては除く。
妬み、嫌みの対象になるが、その効果を受けない。
・俺
神が暇なときに櫻井翔をもう一人誕生させようとした結果、間違った手順で生まれてきた男。
手順を間違ってしまったので、櫻井翔との共通点は二足歩行となで肩しか残っていない。
また、「鬼滅の刃やウマ娘みたいな爆流行りコンテンツ全く知らない俺、かっこよ」と日々思っている。
リア充を意味もなく妬んでいる。
将来の夢は"ウルトラマンガイア"になること。
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【ラブホに行くことになったきっかけ】
私は日々、リア充を特に理由もなく妬んでいる。
おそらく、皆様も一度はそういう経験があるだろう。
いつかリア充に何かしらの形で一泡吹かせたい。
そんなことを考えながら過ごしていた。
何年か前の12月上旬、世間はすっかりクリスマスモードに突入。
クリスマスといえば、子供はケーキやサンタさん、プレゼントと、可愛らしいものばかりイメージするだろう。
しかしリア充。
女はプレゼント乞食、男は基本的にはえつちの事しか考えていない。
なんて品がないのだろう。汚れている。
また、世間では12月24日の21時~3時は「性の6時間」と呼ばれ、この時間帯はえつちな行為に及ぶリア充が多いと言われている。
一方そのころ、その性の6時間俺が何をやる予定かというと
カプレヒレの色違い厳選だ。
※厳選:ステータスの高いポケモンが現れるまでリセットを繰り返す作業。
毎日こんなに頑張って厳選してるのに、今日も色違いが出ない。
もちろん、12月24日までにこの作業が完了するとも限らないし、当日も分からない。
1日無駄にしてしまう可能性だって大いにあるし、その先も果てしない作業が続くかもしれない。
リア充はえつち。俺は果てしなく続く出るかもわからないカプレヒレの厳選作業。
ケーキ食って厳選してる間にもリア充たちはえつちな行為を・・・と考えてしまい不愉快な思いをしてしまった。
腹正しくなってきてたので、今年こそ何かリア充に嫌がらせができないものかと模索。
この状況から、リア充に一泡吹かす方法は無いだろうか。
厳選をしながら考えていた。
そして、数日後。
突拍子もなくひらめいてしまった。
リア充に対抗する方法を。
この方法なら、確実にリア充に一泡吹かせれる。
その方法というのは
「ホテル1部屋ずっと入ってホテルの回転率下げたらリア充がえつちできなくなるくね?」
俺がラブホテルに行けばいいんだ。
栄えているのは倉敷駅周辺だけであり、私が住んでいた"水島駅周辺"はそこまで栄えてはいない。
というか倉敷駅周辺もそんなに栄えていない。
そんな水島には、中サイズのラブホテルがぽつんと一棟だけある。
そこは、この辺に住んでいる大学生の唯一のえつちスポット。ここ以外でのえつちは不可能。
このホテルの1部屋を俺が意味もなく抑えれば、この辺に住んでいてラブホを利用しようとしているリア充の数%にダメージを与えることができる。
こう考えた。
そうと決まれば行動開始。
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【クリスマスイヴ当日】
俺はポケモンカードゲーム イーブイヒーローズを転売するために深夜から外に並んでいるニートよりも早くホテルにたどり着き、15:00チェックイン。
この時点で既にほとんどの部屋が埋まっていた。
危ない危ない。
危うく遅れてしまうところでしたよ。
性欲モンスターを甘く見ていたが、何とか入場。
このラブホはロビーにあるボタンで部屋を選び入室。人と対面せずに入室できるタイプだ。
会計は帰る時に部屋の中にある精算機を使い精算する。
無論、下調べ済み。
ホテルの外観はそこまで綺麗ではなかったので、中もと思っていたが、フロントは意外にも清潔感がある。
なんやかんや部屋に着陸。7階だ。
初めて来たけど、結構広々してる。
あと、きれい。
そんな感想を抱きつつも、1番最初に目に入ったのが
ベッドだ。
「ベッドでか。まぁ2人で1つのふかふかベッド使うわけだし当たり前か。」
感心してしまった。
が、よく考えたら品がない。
なぜなら、本来ここで行われるのはカプレヒレの厳選ではなく、えつちだからだ。
リア充のいちゃつく光景が目に浮かぶ。
泥をすすっている気分だ。
他の場所も気になる。
「せっかくだしお風呂場も見てみよう。」
ガチャリとお風呂場の扉を開けると
「でかーーーーーーーーーい!!!!!!!!」
日頃から湯を張り1時間少々長風呂するお風呂大好きの私。
広々とした浴槽に大興奮。
後で入ろうかな。
そんなこんなで、一通り「ラブホの部屋」というのを確認させていただいた。
普通に寝泊まりとかでも居心地は良さそうだ。
さて、色々見終わったことだし、
始めよう、カプレヒレの厳選。
早速、Nintendo Switchの電源を入れ、ポケットモンスターシールドを起動。
いつものように厳選作業を開始した。
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それからしばらく、私はしこしこと厳選作業を行った。
いつもは虚無との戦いだが、今はとんでもなく気持ちが良い。
なぜなら今日の厳選には、"付加価値"がついているからだ。
この場における付加価値とはもちろん、「リア充への妨害」以外にない。
こんなに気持ちの良い体験がこの世にあって良いのか。
やはりラブホ、魔性の空間。気持ち良くなっちゃう。
そんなこんなで時間は過ぎ、厳選開始から約6時間。
相変わらず今日も全く色違いが出ない。ゴミ。
が、しかし付加価値のおかげで満足している。
そんな幸福感に満ちた私だったが、突然、ある1つの疑念が頭に生じた。
それは
「これ本当にリア充のえつちを妨害できてる?」
俺は今確かにホテルの部屋にいる。
普通に考えて、この部屋を使えないせいでえつちできないカップルもいるはず。
しかし、そんなこと目で確認できない為、いまいち実感がわかない。
例えばロビーに戻って、待合室にカップルがいることを確認できれば、本来使われていない1部屋を俺が埋めている事が原因で、リア充に陰キャ遅延攻撃を繰り出せているという実感が持てる。
しかし、1度部屋を出てしまうと退室扱いになってしまうため、それができない。
この実感が持てないため、今俺は、自宅でゲームしているのと何ら変わりない状況なのだ。
天才かと思われたこのプラン、なんという欠陥。
しかし、後には引けない。そんな状況じゃない。
どうにか「実感」したい。
何か方法は無いだろうか・・・
大きなベッドに転がりながら必死に考えた。
! ? ! ?
ある。あった。
この方法なら、リア充を妨害しているという「実感」が持てる。
それを確かめるべく、俺は部屋の窓へ走る。
そして、確認。見えた。
ホテルのアレ・・・が。
そのアレ・・・とは
「出入り口」
運が良いことにこの部屋、窓の外を見たらちょうどホテルの「出入り口」が見える。わずかに。
もう21:00を過ぎ、性の6時間に突入。
辺りは暗いが、出入り口付近には明かりが灯っているので、人の出入りは確認できる。
で、この「出入り口が見える」。
何がわかるかと言うと
「入ってきたリア充がおおよそ3分もしないうちに出てくれば、それはダメージを与えていることの裏付け」
今ホテルに入ったこいつらが3分以内に出てきたら、ホテルの部屋が満席状態ということになる。
それすなわち、リア充にダメージを与えていることに繋がっている。
そういうことだ。
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この、3分。
3分という時間設定には、理由がある。
というのも、ウルトラマンの地球での活動時間は3分だ。
そして今の俺は、リア充(根源的破滅招来体)を倒さなければならない。ウルトラマンガイアだ。
根源的破滅招来体がウルトラマンより多くの時間活動できるわけがないので、今回はこのような時間設定をさせて頂いた。
地球の意思が生んだウルトラマン、ウルトラマンガイアである私は、すぐさま根源的破滅招来体が玄関付近にいるか確認する。
窓から下らへんを見てみると、なんとこれまた運良く、ちょうど根源的破滅招来体が襲来。
もちろん、俺の出番だ。
— まぐろ (@mgr_junkdoppel) May 28, 2021
戦闘開始。
出入り口 ⬅︎ ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ➡︎ 部屋
どうなる?出てくるのか?
先ほども申した通り、一度退出すると終わりなためロビーには戻れない。
なので、こうして陰キャ見張りするしか確認する方法がない。
もう20秒も経過してるんだ。頼む、早く外に出てきてくれ。
待合室で粘らないでくれ。ここでえつちするのを諦めてくれ。
少し不安が頭をよぎった、その直後・・・・
出てきた。
さっき入ってったリア充が、出入り口から。
ということは・・・
勝った。
得れた、「実感」。
こいつらは、諦めて帰ったんだ。
現状、このホテルは満室状態ということが証明された。
待合室にどのくらい人がいるかはわからないが、形式上、1人の陰キャが、リア充にダメージを与えることに成功したのだ。
俺は地球の平和を守った。これでこの水島に平和が訪れた。
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【その後】
結局、この後も数時間滞在してホテルを後にした。
その間も、何組かのリア充がホテルから追い出されている光景を7階の部屋から見下ろしていた。
7階というと、地上約40メートル。そして、ウルトラマンの身長も40メートル。
俺は今、本物のウルトラマンガイアになっている。
夢も叶えてしまった。
人生初のラブホテルだったが、総じてとても良い経験になった。
また来たいが、もし今後来る機会があっても、ここまで気持ちの良い経験をすることはないだろう。
しかし、まだ我々は油断してはいけない。
なぜなら、
ホテルから出てきたリア充達が皆「手」を繋いでいたからだ。
この「手」が繋がれている限り、この地球に平和が訪れることはないだろう。
「手」を引き裂くまで、そして地球に平和が訪れるその日まで、俺は今日もリア充を妬み続ける。
リア充を妬んでいる皆様も引き続き、活動を続けていってほしい。
それが私の、変わらぬ願いだ。
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結局この日、カプレヒレの色違いは出なかった。
その後も作業をしたが、年内に出なかったので、色違い厳選は諦めた。
あと、ホテルの精算額は¥20,000超えてた。
ラブホで¥20,000はもう風俗なんよ。
もちろんこの出張旅費は、会社の経費では落ちない。
どれもこれも、根源的破滅招来体が原因だ。
戦いは、今後も続くだろう。